「Sell in May」裏切られた5月|NASDAQ +8%、Dell +33%、3指数最高値で締めた1ヶ月

2026年5月の米国株式市場総括イメージ。NASDAQ +8%、Dell +33%、Dow初の51,000突破で「Sell in May」格言が完全に裏切られた1ヶ月。AIラリー継続と消費の二極化を表現 市場

5月最終取引日(米時間 5/29 金)。

3指数全部、最高値で終わった。

指数5月の上昇
NASDAQ+8%
S&P500+5%
Dow+3%

「Sell in May(5月に売って離れろ)」って、投資界の有名な格言なんだけど、

今年の市場、「離れてる場合じゃないのよ、姐さん」ってテンションだった。

完全に裏切られた5月。

しかも、Dell が1日で+33%
時価総額1兆ドル超えのマイクロン。
ロビンフッドがAIで株取引解放。

ニュース密度、異常に詰まった1ヶ月。

今日は5月の振り返り + 「Sell in May」って何? + 6月どうなる?を整理する。

「Sell in May」って何?

日本人にはあまり馴染みないけど、米国・英国の投資家には常識的な格言。

正式には:

“Sell in May and go away, come back on St. Leger’s Day”
(5月に売って離れろ、セント・レジャー・デイに戻ってこい)

セント・レジャー・デイ = 9月中旬の英国の競馬大会の日。

歴史的背景

起源は 17-18世紀のイギリス

ロンドンの金融街の上流階級が、夏の暑さを避けるために田舎の別荘に避暑に行く習慣あった。

つまり元々これ、「貴族がバカンス行くから株いったん閉店ね」って話なのよ。

現代で言うと、「南仏でロゼ飲むので、相場いったんよろしく」の世界観。

投資家・銀行家も7-9月はロンドンを離れる。だから市場の主要プレイヤーが夏に不在 → 取引量減 → パフォーマンス悪化。

避暑から戻ってくるのが、9月中旬の競馬大会「セント・レジャー・ステークス」の頃。

だから「セント・レジャー・デイに戻ってこい」。

これが100年以上前の英国の上流階級の習慣から生まれた格言。

米国版:「ハロウィン・インディケーター」

米国では同じ概念を別の名前で呼ぶ:

“Halloween Indicator”
(10月31日のハロウィンに買って、5月に売る)

つまり、

「5月〜10月(夏半年)」:株を持たない
「11月〜4月(冬半年)」:株を持つ

これが投資戦略として知られてる。

統計データ、ガチで根拠あり

世界市場では、学術論文(Bouman and Jacobsen 2002)が世界37の株式市場を調査:

11月〜4月のリターンは、5月〜10月より平均約4%高い

S&P500 単体で見ると、YCharts 統計(1999-2025):

期間S&P500 平均月次リターン半年合計
11月〜4月1.03%約6.2%
5月〜10月0.69%約4.1%

つまり、S&P500 単体でも、半年で約2%の差
世界市場全体だと、約4%の差

どちらにせよ、

「Sell in May」は、過去データに基づく現実

ただし、「絶対的な法則」じゃなく「傾向」

予想外の年も、当然ある。

そして、2026年5月は、完全に予想外だった

2026年5月、何が起きたか

5月最終取引日の数字:

指数終値5月の上昇率状態
Dow51,032.46+3%初の51,000突破
S&P5007,580.06+5%9週連続上昇
NASDAQ26,972.62+8%最高値

S&P500、9週連続上昇
これ、結構稀。

5月の平均月次リターン 0.69% を、S&P500 だけで7倍以上、NASDAQ で11倍以上上回った。

「Sell in May」を信じて5月初頭に売った人、悲しい。

逆に、5月初頭に買った人、気持ちよく勝った。

5月の主役はAI

なぜこんな異例の上昇?

理由は1つ。

AIラリー、まだ全然終わってない

むしろ市場、「AI って言っとけば許される期」に完全突入してる。

5月のテック株の動き:

銘柄5月の動き
Dell Technologies+33%(1日、5/29) ← 記録的1日
Snowflake+40%超(週間)
Micron Technology時価総額1兆ドル突破、年初来+214%
RobinhoodAgentic Trading 発表、Mizuho 目標$115
Microsoft+5.45%(5/29 単日)
IBM+12.90%(5/29 単日)
Salesforce+8.46%(5/29 単日)

特に Dell、衝撃。

5/28 引け後の決算で売上・利益ともに予想超え、通期ガイダンス引き上げ。
翌日5/29、1日で時価総額の33%が動いた

もう“パソコン売ってる会社”の値動きじゃないのよ。

昔オフィスの情シスが発注してた Dell、今やウォール街でドラッグみたいに扱われてる。

「AIサーバー需要、本物だった」という市場の答え合わせ。

📖 関連記事 → マイクロン、AI特需で時価総額1兆ドル|「低PERは買いか警告か」HBM需要の正体

でも、AIじゃない銘柄は置き去り

5/29 の Dow、+0.72%。
最高値51,032.46まで上昇。

でも、Dow 構成銘柄を見ると、完全に二極化してた:

勝ち組:

  • IBM +12.90%
  • Salesforce +8.46%
  • Microsoft +5.45%

負け組:

  • Walmart -2.61%
  • J&J -2.41%
  • Nike -2.41%

つまり、

「テック・AI = 上昇」「消費・伝統 = 下落」

資本主義、「未来を売る会社」は大好き

でも、「現実の生活を支える会社」には急に冷たい

Walmart下げてAI爆上げしてるの、だいぶ味わい深いのよ。

これ、前のロビンフッド記事で書いた「AI一本足打法リスク」の答え合わせでもある。

📖 関連記事 → ロビンフッドが AI に株取引を解放|「Agentic Trading」と AI クレカ、便利と無防備の境界線

5月の主要イベント、振り返り

時系列で整理。

5月前半:上昇トレンド復活

  • 5/1〜:S&P500 が初の7,200突破、Apple決算が市場予想を上回る(beat)
  • 5月のVIX(恐怖指数)低下
  • AI関連株がリード

5/22:Memorial Day前、Dow過去最高値

  • 5/22 Dow が+294ポイントで最高値更新
  • 連休前のポジティブモード

5/26(火、Memorial Day明け):マイクロン1兆ドル

  • マイクロン株が1日で19%急騰
  • 時価総額1兆ドル突破
  • UBS が目標株価3倍引き上げ
  • AI ラリーが半導体メモリーまで波及

5/27(水):米イラン「完全な捏造」

  • 米イラン合意間近 → トランプ「譲歩否定」発言
  • ホワイトハウス、合意草案を「完全な捏造」と否定
  • 市場は冷静、最高値更新しつつ伸び止まる
  • 原油 -5.55%

📖 関連記事 → 米イラン交渉、トランプが譲歩否定|「完全な捏造」発言、株最高値も騰勢失う、原油$88へ急落

5/27(米時間水):ロビンフッド「Agentic Trading」発表

AI エージェントが、株取引・買い物する時代開幕。

「便利〜♡」って顔してるけど、冷静に考えると、“AIが勝手に課金する時代” が開幕してるのよね。

📖 関連記事 → ロビンフッドが AI に株取引を解放|「Agentic Trading」と AI クレカ、便利と無防備の境界線

5/28(木):米イラン60日停戦延長報道、米株3指数全部最高値

  • 「完全な捏造」から24時間で逆転
  • Dow、S&P500、NASDAQ、すべて最高値更新
  • 原油 +2.22%

5/28〜29:Dell +33%、テック決算ラリーの締めくくり

  • Dell 決算 beat、+33% 急騰(5/29)
  • Snowflake、Micron、Qualcomm が連動
  • 「AI サーバー需要、本物」の確認

5/29(金):5月最終取引日、米株3指数全部最高値で締めた

  • Dow 初の51,000突破
  • S&P500 9週連続上昇
  • NASDAQ 月間+8%

一方で消費の現実

ここ、地味に重要な対比。

5月のもう1つの大きな話:

米消費者信頼感指数 5月93.1

  • コンファレンスボード発表(5/27)
  • 5月:93.1(前月87.7から回復だが、依然低水準)
  • 米国民の2/3が「節約モード」回答

つまり、ウォール街は最高値、メインストリートは節約の二極化、5月もずっと続いた。

株価は過去最高。

でも一般人、コストコで「卵高っ…」って言いながら生きてる

この温度差、だいぶ2026年。

📖 関連記事 → 米消費者信頼感指数 5月93.1で低下|S&P500最高値の裏で2/3が節約モード

なぜ「Sell in May」は裏切られたのか

考えられる理由、4つ。

1. AIラリー、まだ夏休みなんてない

100年前の英国の上流階級は、夏に避暑。

でも今の市場24時間動いてる、AIは夏休みしない

Robinhood の Agentic Trading(5/27発表)が示す通り、AIエージェントが24時間取引する時代。

人類は海行ってるのに、AIだけ24時間働いてる

資本主義、ついに“寝ない社員”を手に入れてしまった

2. 米イラン停戦延長期待

5/29 の終盤、米イラン60日停戦延長合意の報道。

地政学リスクの後退 → リスクオン → 株買い。

これが5月末の最高値ラリーを後押し。

3. テック決算が想像以上に強かった

5月後半のテック企業決算、軒並み予想超え:

  • Dell、Snowflake、Micron、Qualcomm

「AI 投資、まだまだ続く」という確認。

4. 9週連続上昇のモメンタム

S&P500、9週連続で上昇した相場。

「上がる相場」のモメンタムが、季節性アノマリーを上回った。

つまり、「過去のパターンより、現在のモメンタムが強い」状態

市場って、結局いつもこうなのよ。

「今回は違う」を、毎回やる

で、たまに本当に違う。

で、6月どうなる?

ここ、市場のプロも意見分かれてる。

強気派の主張

  • AI 設備投資のサイクル、まだ初期
  • マイクロン、Dellの決算が需要を確認
  • ハイパースケーラー(Microsoft、Google、Amazon、Meta)の AI投資、加速

弱気派の主張

  • バンクオブアメリカ:「夏のプルバック準備すべき」と警告
  • AI銘柄、買われすぎ(RSI 70超え)
  • 米消費者の節約モード、いずれ企業業績に響く
  • 「9週連続上昇、もう調整入っておかしくない」

中立派の主張

  • 個別株の選別が重要
  • 「AI全銘柄が上がる時代」は終わりつつある
  • Dell、Micron、Snowflake みたいな実需確認できる銘柄にシフト

で、日本のあなたに関係あるの?

「米国の5月の話、それあたしに関係あるの?」

1. 新NISA で米株インデックス持ってる人

S&P500 +5%、NASDAQ +8%。

新NISA で米株インデックス積立してる人、5月の運用成績、それなりに良い。

ただし、「上がりすぎた」とも言える

6月以降の調整リスク、頭の片隅に。

2. 個別株、特に AI関連持ってる人

NVIDIA、Microsoft、Apple、Alphabet、Meta、Tesla、Broadcom、Micron、Dell。

5月の上昇分、それなりに含み益あるはず。

利益確定 or ホールド、判断のタイミング。

3. 「Sell in May」って格言、信じる?

統計的には、確かに5月〜10月のリターンは弱い。

でも、「過去の傾向」と「今の市場」、別物

格言だけで投資判断するのは危険。
今の構造(AIラリー、地政学、企業決算)を見て判断する必要ある。

4. ドル円、為替の動き

5月、ドル円は158円近辺で推移。

地政学リスクが後退すれば円高方向。
リスクが再燃すれば円安方向。

米株を持ってる人は、円建てリターンの計算で為替も影響する。

5. 6月のイベント、何見るべき?

6月の重要イベント:

最大の注目:SpaceX IPO(6月12日予定)

  • S-1 既に提出済み(5/20)
  • 6/8 ロードショー開始、6/11 プライシング、6/12 上場
  • ティッカー:SPCX(Nasdaq)
  • 評価額:$1.75兆ドル、調達 $75 billion
  • 構成:ロケット + Starlink + xAI(Musk の AI)
  • 個人投資家枠 30%(Schwab、Fidelity、Robinhood で購入可能)
  • IPO 史上最大規模(過去最大の Saudi Aramco $29.4B を大幅更新)

📖 関連記事 → SpaceX、史上最大IPOへ|「宇宙×AI」融合、早期投資家の桁違いリターン

他にも見るべきイベント:

  • FOMC(6月17-18日):ウォーシュ議長の最初の本格的政策決定
  • マイクロン Q3 決算(6/24):AI 需要の継続確認
  • 米イラン交渉の進展:60日停戦延長後の正式合意?
  • 米雇用統計(6月初め):消費・労働市場の現状
  • 新NISA 関連:6月の配当・分配金タイミング

今後の AI IPOカレンダー:

企業予定時期評価額
SpaceX6/121.75兆ドル
Anthropic(Claude 開発元)10月予定9,000億ドル
OpenAI(ChatGPT 開発元)Q4 2026 or 20271兆ドル目標
Databricks未確定1,340億ドル
Cerebras(AI チップ)S-1 提出済未公開

2026年は、AI企業の上場ラッシュ元年

6月の SpaceX IPOが成功すれば、Anthropic、OpenAIのIPO計画も加速する流れ。

逆に、SpaceXが失敗すれば、AI IPO全体に冷や水。

とっても重要な6月。

今後の注目点

短期(6月):

  • FOMC(6/17-18)、ウォーシュ議長の最初の本格的政策決定
  • 米イラン正式合意 or 決裂
  • 5月の上昇に対する調整入る?
  • AI 関連株の利益確定売り

中期(夏〜秋):

  • 「Sell in May」、結局当たる? 当たらない?
  • 米大統領の地政学的決断
  • AI 投資の実質性確認

長期(年末まで):

  • 米株、年末ラリー来る?
  • AI バブル説 vs AI 実需説の決着
  • 日本市場の AI 関連株の追随

締め——格言と現実

「Sell in May and go away」

100年以上前の英国の上流階級が、避暑に行くために株を売ってた習慣。

それが格言になった。
過去のデータで「ある程度当たる」と確認された。

でも、2026年5月、完全に裏切られた

NASDAQ +8%、Dell +33%、Dow 初の51,000。

AI、地政学、企業決算、全部が過去のパターンを上回った

過去の格言って、便利なの。

「Sell in May」みたいな短いフレーズで、なんとなく投資判断できそうな気がする。

でも、格言は過去の平均、今の市場は今の構造

人類、すぐ”短い言葉”で安心したがる件。

「Sell in May」
「暴落は買い」
「長期なら勝てる」

便利なのよ。

でも市場、そんな親切じゃない。

正直、相場なんて、明日のことすら誰も分かってない。

CNBCでスーツ着て喋ってる人たちも、たまに普通に外す。

だから、わからない時は、淡々と積立を続ける

新NISA の月10万円、月3万円、月1万円。
5月のラリーで上がっても、今後の調整で下がっても。

続けることが、長期で勝つ唯一の方法

世界がどう動こうと、自分の足元だけは整える。それだけ。


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※本記事は、CNBC、Reuters、Trading Economics、TheStreet、YCharts、QuantifiedStrategies、Wikipedia、Bouman and Jacobsen 学術論文(2002)等の報道・公開情報をもとに構成しています。

この記事を書いた人

40代、元外資テック、米国生活経験あり。
東京で愛犬と暮らす観察者。
「経済的自立」がモットー。

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