インフレの話しをあたしたちはずっと「物価」や「金利」や「株価」の言葉でしてきたわね。
でも今日は、もっと生々しい場所にインフレが届いた話しをするわ。
アメリカの若者の、恋愛よ。
ええ、「恋愛はプライスレス」なんて言ってた人たち。どうやら、レシートは普通に発行されるらしいわ。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)の調査でね、18〜29歳の米国人の51%が、月のデート支出が0ドルと答えたの。半分よ、半分。
お金を理由に、恋愛を「後回し」にする若者が、それだけいるってこと。
インフレは、ついに人の財布だけじゃなく、人生の選択そのものを削り始めたの。
「かわいそうねぇ」で終わるなら、ワイドショーで十分なのよ。あたしたちは、その裏で、お金が何を壊しているのかを見にいくわ。
何が起きているのか:恋にお金が回らない
まず、数字を並べるわね。なかなか衝撃的よ。
- 18〜29歳の米国人の51%が、1カ月のデート支出ゼロ
- 約4分の1(24%)が、経済状況を理由に、交際を次の段階に進めるのを先延ばししてる
- 「積極的に出会いを求めている」と答えたのは、わずか11%
そして、なぜこうなるかの背景がこれ。
デート1回あたりの平均費用は、今や189ドル(前年比12.5%増)。ディナーデートに至っては約250ドルで、数年前の120ドルから倍増してるの。物価高で、デートそのものが”高級レジャー”になっちゃった。
もはや恋人より、年会費無料のクレジットカードのほうが、よっぽど身近な存在よ。恋愛市場まで、しっかりインフレ。キューピッドも、そろそろ価格改定のお知らせを出しそうね。
極めつけは、これ。42%が「次の給料日まで、やり繰りに追われている」と回答してて、しかもその中に、年収10万ドル(約1,620万円)超の人が29%も含まれてるの。
年収1,600万円あっても、3割が自転車操業。
「年収が増えれば幸せ」って、昭和の都市伝説だったのかもしれないわね。インフレって、本当に空気みたいなの。吸ってる本人が、一番気づかないのよ。
恋愛が最初に削られる理由
記事に出てくる、ロサンゼルス在住の26歳・俳優志望の青年が、すごく象徴的なことを言ってるの。
彼いわく、「デートの回数を減らしたいわけじゃない。でも、生活に必要なものを買えなくなるくらいなら、資金不足になった時、真っ先に削るのはデート費用だ」って。
これ、残酷だけど、合理的なのよ。
家賃は削れない。ガソリン代も削れない。食費も限界がある。じゃあ、生活必需品じゃないもので、いちばん削りやすいのは何か——恋愛なの。
デートは「なくても死なない」から、家計が苦しくなった時、最初に切られる。水道は止められたら困る。Netflixも、まあ困る。
恋愛?家計簿の世界では、そっと「また今度ね」フォルダ行きなのよ。インフレが家計を圧迫すると、人はまず「不要不急」から手を放す。そして悲しいことに、その「不要不急」に、恋愛が分類されちゃう時代になったってことなのよ。
しかもアメリカは、デートにかかるお金が日本より重いの。
男性が多めに払う文化が根強く残ってるし、出会い系アプリの有料会員費、会員制クラブ、独身者向けの交流イベント——出会うこと自体に、お金がかかる仕組みになってる。
恋に落ちる前に、カードの利用明細が落ちるのよ。さっきの189ドルや250ドルは、その費用すら含んでない数字なんだから。
でも、これは「諦め」じゃないかもしれない
ここからが、今日いちばん大事なところ。
この話し、メディアは「お金がなくて恋愛を諦める、かわいそうなZ世代」と報じがちなの。
でも、データをよく見ると、別の顔が見えてくるのよ。
同じ調査で、こんな数字も出てるの。物価高で財布が苦しいのに、Z世代の66%が「貯金している」と答えてて、これは2024年の60%より増えてる。さらに、家族からの金銭援助に頼る人は34%に減少(2024年は46%)。つまり彼らは、親のすねをかじるのをやめて、自分の足で立とうとしてる。
そして極めつけがこれ。Z世代の74%が、パートナーに「お金との付き合い方」を重視してて、43%が「無責任な支出は交際の決定的な障害になる」と答えてるの。
分かる?彼らは、恋愛を諦めてるんじゃないの。
恋愛に、お金と同じ”選別の目”を向け始めたのよ。
「なんとなく雰囲気で付き合う」「見栄を張って高いデートを重ねる」——そういう、コスパの悪い恋愛を、賢く避けてるの。
お金を浪費する相手より、お金を大事にできる相手を選ぶ。デートにお金をかけない代わりに、その分を貯金や投資に回す。これって、”諦め”じゃなくて、めちゃくちゃ”戦略的”よね。
「ケチ」と「資産形成」は、紙一重なの。違うのは、ちゃんと目的があるかどうか。浪費家よりも、複利を知ってる人を選ぶ——ロマンは少し減るけど、老後はちょっと安心よ。
恋愛は「定量化しにくい投資」
この記事の締めくくりに、マネー心理学を専門にする認定ファイナンシャルプランナーが、とても示唆的なことを言ってるの。
彼女いわく、「人間関係を築き、デートをすることは、定量化しにくい投資だ」。そして、「経済的な不安定さがある時期には、人は時間とお金の使い方を最適化して、自分でコントロールできるものへと向かう」と。
ここ、ものすごく大事なポイントなの。
恋愛って、リターンが計算できない投資でしょ。お金と時間をつぎ込んでも、報われるかどうか分からない。
株なら損切りできるけど、恋愛は、含み損を10年抱える人もいるのよ。ETFなら毎日価格が見えるのに、恋人候補は既読すら付かないんだから。一方で、貯金や投資や自己投資は、自分でコントロールできて、結果がある程度見える。
だから経済が不安定になると、人は本能的に「コントロールできない不確実なもの(恋愛)」から、「コントロールできる確実なもの(お金・スキル)」へ、リソースを移すの。Z世代がやってるのは、まさにこれよ。
切ないけど、賢い。不確実な時代に、自分で舵を取れるものを増やそうとする——その姿勢自体は、あたしたちが大事にしてる「経済的自立」の考え方と、根っこは同じなのよ。
日本のあたしたちへ
これはアメリカの話しだけど、対岸の火事じゃないわ。
日本も、円安と物価高で、生活コストはじりじり上がってる。そして日本にはもともと、若者の恋愛離れ・結婚離れが進んでた背景があるでしょ。そこにインフレが乗っかれば、「お金がないから恋愛も結婚も後回し」という流れは、確実に強まる。
デート代、結婚式、出産、住宅——人生の大きな選択は、全部お金と結びついてるから、物価高はそのまま「人生の選択肢が狭まる」ことに直結するの。
「愛があれば大丈夫」。もちろん、素敵な言葉よ。でもね、住宅ローンの審査担当者は、そのポエムを読んではくれないの。
ここでZ世代から学べることもあると思うの。彼らは、お金がないなりに、「見栄のための消費」を捨てて、「自分でコントロールできるもの」に集中してる。「映えるデート」より、「来月の家賃」のほうが現実なのよ。
インスタ映えは数秒、複利は何十年。どっちが効くかは、言うまでもないわよね。
高いデートで相手の気を引くより、自分の経済的な土台を固める。それは寂しい選択に見えて、実は、不確実な時代をしたたかに生きる知恵でもあるのよ。
恋愛にお金をかけないこと自体は、いいことでも悪いことでもないわ。
問題は、「お金がないから、人生の選択肢を諦める」になっちゃうこと。インフレって、本当に意地悪なの。財布からお金を盗むだけじゃない。「まあ、今回はやめておこうか」——そんな小さな諦めを、人生のあちこちに、そっと置いていくのよ。
そうならないために大事なのは、結局いつもの話しに戻るの——自分の経済的な足場を、少しずつでも固めておくこと。お金に振り回されて選択肢を奪われるんじゃなくて、お金を整えることで、選べる自由を取り戻す。
恋愛するもしないも、結婚するもしないも、「お金がないから」じゃなく「自分で選んだから」にする。そのための土台づくりが、こういう時代の、静かな自衛なのよ。
まとめ
インフレは、もう「スーパーの値札」の話だけじゃないの。
それは、誰と出会うか、誰と人生を歩むか、という、いちばん個人的な選択にまで、手を伸ばし始めてる。
Z世代が教えてくれるのは、たぶんこういうことよ。
お金は、人生のすべてじゃない。でも、お金がないと、人生の選択肢は確実に狭まる。だからこそ、お金に主導権を握られる前に、こっちが少しだけ、お金の手綱を握っておく。恋愛を取るか、貯金を取るか、なんて二択に追い込まれないために。
お金は、好きな人と生きるための道具であって、好きな人を諦める理由にしちゃいけないの。デート代を払うために生きるんじゃない。好きな人と笑うために、お金を整えるのよ。
恋も、お金も。追いかけるより、追い詰められない人生のほうが、ずっと美しいわ。
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※本記事は、Bloomberg、Bank of America(Better Money Habits調査)、Fortune、Reuters等の公開情報をもとに構成しています。本記事は特定の生き方や消費行動を推奨するものではありません。


